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【TEAPOND】アッサム マンガラン茶園OR-233の感想

こんにちは、銀猫です!

今日は紅茶専門店TEAPONDさんのアッサム マンガラン茶園OR-233を飲んでみた感想をお届けします!

このアッサムはクローナル品種をオーソドックス製法で仕上げたものですよ。
ゴールデンチップも入っていて、アッサムのなかでは贅沢なスペシャルティー仕様といえそうですね。

記事の後半では、アッサムの品種についてちょこっとだけ解説もしていますよ。

それでは、茶葉のことからご紹介していきます!

マンガラン茶園OR-233ってこんな感じ

TEAPONDさんの公式説明によると、このお茶はクローナル品種のP126A。
セカンドフラッシュの時期に摘まれ、オーソドックス製法で仕上げられています。
ゴールデンチップ入りの華やかな茶葉ではあるものの、飲みごたえと甘みを両立したバランスのよいタイプでもあるようです。

お値段は50g1,296円でした。
2020年はコロナ禍の影響があり少し読みにくいのですが、オーソドックスタイプのアッサムとしては標準的な価格と言えそうです。

アッサム マンガラン茶園OR-233を実際に飲んでみた様子

それでは、実際に飲んでみましょう!
抽出条件は公式推奨のバランス、5g360ml3分です。

まず、茶葉の様子がこちら。
オーソドックス製法のアッサムのなかでも、茶葉がしっかりと大きめに見えますね。
ゴールデンチップ入りではありますが、説明通りほどよい量に抑えられています。
撚りはきつめで、噛むとポリッポリッとした食感です。噛み続けていると麦っぽい味が出てくるタイプですね。

温めたポットでは、酸味のあるカカオやトマトを連想する風味。強すぎず、穏やかに香ります。ここは乾燥茶葉の印象と共通していました。

淹れてみると…甘い!

サラッとしていて、アッサム特有のもたつきや収斂は控えめですね。
中程度のコクがあるので、花蜜系の甘みがバランスよく感じられました。
とくに、甘みは余韻にも出ているので特別感を長く味わえます。

全体の飲みごたえとしては「アッサムにしては軽め」に分類されそうなのですが、青臭さなどはないのが嬉しいですね。ボディが軽い分、フルーティーな甘さを楽しめるお茶だと思います。

 

また、このお茶は飲むタイミングも重要なタイプかもしれません。
(ほかのお茶もそうですが)カップに注いだあと、茶液の温度が変化するに連れて風味がどんどん変化していきます。

今回淹れた条件の場合は、注ぎたての熱いときは麦のような香ばしさが強く、すっかり冷めると青み・渋み寄りになる印象です。
フルーティーな甘みを楽しみたい場合、その中間を狙うようなイメージですね。

茶殻はこんな感じです。
茎っぽい部分がそれなりに見られますね。芯芽の華やかさを支える土台づくりがしっかりしているなーという印象です。

お茶を淹れる練習をしたい方におすすめ

何度か淹れてみた結果、「繊細なタイプだからこそ、狙ったバランスで抽出するのがやや難しい茶葉かもしれないな」という感覚を持ちました。

湯温はもちろん、抽出中の保温や茶葉や湯量コントロールなどお茶の淹れ方を練習したい方向きの茶葉でもあると思います。
自分なりのベストなバランスを追求する楽しみもありますね。

アッサム マンガラン茶園OR-233の味わいの感想

それでは、アッサム マンガラン茶園OR-233ポイント別の感想です♪

渋み ★★☆☆☆
甘み ★★★☆☆
重厚感★★★☆☆

コク・奥行きもあり、セイロンでいうとミディアムグロウン相当の飲みごたえが得られます。
軽めのタイプとはいえ、やはり飲み続けるとアッサムらしい渋みが舌に溜まってきます。(渋みが苦手な方であっても、気になりにくい程度ではあると思いますが、一応書いておきますね)

飲むタイミングや淹れ方で変化する幅が大きいため、人によって評価がわかれやすいかもしれません。
一度淹れて飲んでみて「んん?」と思った方も、飲むときの温度(タイミング)や淹れ方を変えてみたら気にいる可能性があります。ぜひ色々お試しくださいね。

アッサム マンガラン茶園OR-233のおすすめの楽しみ方

 

アッサムのオーソドックス製法は水色がとってもきれいですよね!
とくに自然光の下でみると、透き通るような質感がよくわかり、目にも楽しいです。

そのままでも満足感のあるお茶なので、お茶請けは軽めなテイストを中心にお好みで。
お天気の良い日は、ぜひ窓際でお茶の時間を楽しんでみてください。

P126A品種について

 

記事冒頭でお伝えしたとおり、この茶葉はクローナル(品種茶)です。
しかし、「P126A品種ってそもそも何でしょうか?」という方も多いと思います。

日本の紅茶専門店さんはあまり茶樹の品種説明をしないところもありますし、オーソドックスタイプ自体が主流ではないので無理もないと思います。

調べてみたところ、P126タイプはゴールデンチップができやすいという特徴があるようですね。
ゴールデンチップが多い=素晴らしい風味の紅茶 とは私は思わないのですが、フルーティーな香りが期待できると言われているようです。
茶樹の品種特性なのかゴールデンチップ由来なのか不明ですが、たしかに今回のお茶にもそういう要素はありましたね。

他の特徴としてはゴールデンチップが豊富だと見た目がゴージャスなので、高級志向のお店に買ってもらいやすいようです。ティーオークションなどで高値が付きやすいので力を入れている茶園もあるのだとか。

ちなみに、Pはパニトラの略のようなので、アッサムのパニトラ茶園からの選抜なのかなーと予想しています。

 

「じゃあ、利益重視でこの品種ばっかりになってしまいそうだよね…」
と思ったりしたのですが、どうやらインドの茶業研究所は安易な単一品種化にはストップをかけているみたい。

なぜかというと、すべて同じ品種の茶樹にすると気候変動や病害虫の流行で全滅する可能性があるからです。
また、品種茶樹は実生のチャノキと比較したときの経済寿命の短さも指摘されています。
管理の手間やコスト、リスクヘッジを考えると実生のチャノキとクローナルのチャノキ複数品種をバランスよく植える方向になるんですね。

そんなわけで、クローナルであっても区画ごとに分けるなどして複数品種を育てるのが現在の主流のようです。

現在、同じ茶園であってもロットごとに品種が違う、という事が増えつつあると思われます。
ますます、品種など詳細情報が書かれているお店で買いたくなりますね!

終わりに

最後の最後に長々とお話してしまいましたが、アッサムのクローナル品種ってまだあまり注目されていないのかもしれませんね。
同じインドのダージリンは、ほとんどの紅茶専門店さんでもチャイナ・クローナルの表記分けはされています。しかし、アッサムではあまり見かけない気がします。

なので、TEAPONDさんの品種や摘み時期など、お茶好き向けに情報をしっかり届けてくれるスタイルはありがたいなーと思っています。

お茶って、飲みながら知識をつけていく楽しみ方もあると思うので、みなさんもぜひ開拓を楽しんでみてくださいね!

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