こんにちは、銀猫です。いよいよ春ですね~!
今日はネパールの人気茶園、ジュンチヤバリ茶園の2020年秋摘み紅茶を飲んでみました。
ジュンチヤバリ茶園の紅茶ってお茶好きさんの間でも評価が高い印象があります。
淹れ方や感想を詳しくお伝えするので、まだ飲んだことがない方もぜひ参考にしてみてくださいね。
ちなみに、このお茶は「紅茶の持つ香りの幅を感じたい」という方にかなりおすすめできそうです。
それでは、茶葉の概要からみていきましょう!
ジュンチヤバリ茶園J242 2020年オータムナルHRHTってこんな感じ
今回、この茶葉は紅茶専門店のシルバーポットさんで購入しました。
お値段は50gで3,456円。
紅茶の中ではハイグレードな価格帯ですが、とくに手間がかかっているお茶なので適正価格だと感じました。
公式での説明によると、複数品種の茶樹のブレンドで、メインはP312品種だそうです。
P312はインドのダージリン地方でも育成されている人気品種ですね。
ジュンチヤバリ茶園J242 2020年オータムナルHRHTを実際に飲んでみた様子
それでは、実際に淹れてみましょう!
今回採用した抽出条件は、公式推奨の中では比較的濃いめに出る6g300ml4分です。
まず、茶葉の様子はこちら。
くるくるとした見た目のよく撚られた茶葉ですね。産毛の質感もしっかりわかる大ぶりな葉で、芯芽も多く含まれています。たしかに、これはやや長めの4分蒸らしが良さそう。
食べてみるとカリカリとした歯ざわりで、香ばしいナッツ・ビターな柑橘・花と花蜜・またナッツ…と変化していきます。余韻の皮付きアーモンドっぽいナッツは特に印象的です。この時点で、風味の層の多さから期待が高まりました。
ポットでは、ローストされたナッツからフレッシュなトマトの香り。比較的シンプルにでました。
淹れてみた様子がこちら。香りが抜群にいい!
カップに注ぐと素晴らしいムスクの香りが立ち上ります。柔らかい質感の香りなのにしっかりと主張するので、香りを取るのが苦手な方でもわかりやすいと思います。
温度変化に合わせてくるくると香りが変わり、ムスクの次に花の香りが出ました。パウダリーな百合の花、それから艶やかなラン、レモンピールや沈丁花の印象です。さらに冷めると、ローストナッツが出ます。
香りだけでもかなり楽しめましたが、味はどうでしょうか。
香り高いタイプのなかでは苦渋は控えめ。余韻に少し渋み・旨みの主張がありますね。甘味は控えめでさっぱりしているタイプです。そのぶん飲みごたえは軽めだと感じます。
ただし、香りの印象のおかげで実際より味わいに奥行きが出ているように感じます。カップに口をつけると同時に感じるナッティな香り、口の中から鼻へと抜けるブーケ感が味わいの印象をより豊かにしています。
飲み下したあとも、戻り香としてレモンピールやライムのようなさわやかさがあり、長く余韻を楽しめました。
茶殻がとても綺麗です。
ハーバルな花蜜の香りがありますね。葉底の色味や大きさがおおむね均一に揃っています。茶殻を水出しにしてもまだまだ楽しめそうなポテンシャル。丁寧な製茶が伺えて大満足です。
ジュンチヤバリ茶園J242 オータムナルHRHTの味わいの感想
ジュンチヤバリ茶園J242 オータムナルHRHTについてポイント別にまとめてみました。
渋み★★★☆☆
香り★★★★★
甘み★★☆☆☆
コク★★☆☆☆
ひとくちに香りといってもさまざまなのですが、このお茶はフラワリーな要素もハーバルな要素も、それからシトラスの要素もそれぞれ強く感じられます。人それぞれの感じ方、飲むタイミングによってバランスが変わるお茶でもありそうです。
個人的に面白かったのは、火香があるのにパウダリーな百合やレモンピールも感じられること。このそれぞれ異なる領域の要素が共存しているのは「単一品種ではないことの利点」「高い製茶技術」があってのことかな、と思いました。
ジュンチヤバリ茶園ならではのバランス感覚として非常に魅力的ですね。
ジュンチヤバリ茶園J242 オータムナルHRHTのおすすめの楽しみ方
このお茶は、ゆったりと香りを楽しめるリラックスタイムに飲んでほしいな、と思います。
飲む前から嗅覚で香りの層を楽しめるお茶なので、その特別な時間をぜひじっくりと味わっていただきたいです…!
合わせるお菓子によっては渋みが悪目立ちしそうなバランスでもあります。
軽めのメレンゲ菓子を優しく合わせて、あとはお茶の持つ豊かな風味を味わうイメージでしょうか。
私は「夜眠る前に飲んだら、きっと戻り香を楽しみながら気分よく眠れるだろうな」「部屋にこの香りが充満して楽しいだろうな」とワクワクしました。
HRHTとは?
ジュンチヤバリ茶園は独自の表記が多いことも特徴です。
たとえば、今回ご紹介したお茶の「HRHT」というのもぱっとみて何かはわかりにくいですよね。
これは、Himalayan Royale Handcrafted Tipsの略です。(2021年現在)
この称号は2003年から2017年まではハンドロールドヒマラヤンティップスの略で”手もみ製法”のお茶のことを表していました。
しかし、2017年からは手間がかかりすぎる(人員不足)として機械揉捻に変更され、この称号の意味はヒマラヤン・ロイヤル・ハンドクラフテッド・ティップスに変更されています。(2017年以前の記事などを参考にすると、違う意味になっているので注意が必要です)
多くの製茶工程が手作業であることに変わりはないため、ハンドクラフテッドという表現を採用しているようですね。今回飲んだJ242ロットの茶葉を見ても、その丁寧なお茶づくりが伝わってきます。
終わりに
ダージリンなどの基準からすると、オータムナルは少しクオリティが落ちるイメージがあるかもしれません。しかし、ことジュンチヤバリ茶園に限ってはオータムナルのHRHTだからこそ非常に良い、と言いたくなる茶葉があると感じています。
もちろん、お茶は農作物なので年度やロットによるところも大きいのですが「秋摘みの紅茶にはあまり期待できない」と思っている方がいたら、ぜひ試してみてほしいです。