「紅茶の教科書」を読んだ感想 主な内容は?初心者におすすめ?

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こんにちは、銀猫です。

今日は紅茶に関する本の中から磯淵猛さんの紅茶の教科書をご紹介します♪

主な内容の紹介、分かりやすくて網羅的?初心者向け?使い勝手は良い?など、ポイント別にお話します!
私が特に気に入った部分やテーマごとの雰囲気も詳しく紹介していきますよ♪

「紅茶について本で学びたいんだけど…どれがいいかな?」と迷っている方の参考になると思います♪

それでは、著者の磯淵猛さんのことからご紹介します!GOGO!

磯淵猛さんってどんな方?

まず、著者の磯淵猛さんを(略歴となりますが)ご紹介します。
磯淵猛さんは1979年に紅茶専門店ディンブラを開業され、キリンビバレッジ「午後の紅茶」のアドバイザーをされています。
また、日本創芸教育にて「紅茶コーディネーター講座」の主任教授を務めていらっしゃる方です。

磯淵猛さんは紅茶に関する本を数多く出版されている方で、日本の紅茶研究家としてとても有名だと思います。

紅茶の教科書の概要

それでは、紅茶の教科書の概要についてお話します♪
私が持っているのは2016年の改訂版第2版で、新しい図や写真が追加され、再構成されています。
この本は5つの部門に分けて説明が進む構成です。

第一部 茶葉と茶園の話

ここでは主に紅茶の産地や製茶工程の話が紹介されています。

  • インド茶の産地(ダージリン・アッサム・ニルギリ)
  • スリランカ茶の産地(ウバ・ディンブラ・ヌワラエリア・キャンディ・ルフナ)
  • その他の国の茶の産地(キーマン・ジャワ・ケニア)
  • 茶葉の分類
  • 茶葉の製造方法
  • 茶葉のグレード
  • 茶葉のシーズン
  • 茶葉の保存
  • 茶葉の生産地(インドVSスリランカなら?)

最後に茶葉の種類と特徴という見出しで、それぞれの茶葉の水色・味・香を一覧で紹介しています。
水色と茶葉の写真付きなので非常に分かりやすく、おすすめの楽しみ方が書き添えられているのがありがたいです!

個人的に気に入っているのは、ダージリンとアッサムを対比して紹介している点です。
理屈のみではなく写真付きで分かりやすく、そして「生産規模」「用途」など視点別に説明されています。
初めて紅茶について学ぶ人でも、最初にスッと「あっ、そういう違いがあるんだな」って分かる構成だと思います♪
冒頭で中国種のチャノキとアッサム種のチャノキの違いを知ることができるので、その後の各産地の紹介もスムーズに読み進められそうです!

第二部 紅茶の履歴書

こちらでは「紅茶を消費する」という視点で話が進んでいきます。
茶器(ティーカップやティーポット)の形の変遷なども紹介されています。

  • 鑑定&テイスティング
  • 健康学 紅茶は体にいいのか悪いのか?
  • ブランドヒストリー
  • 茶器の研究
  • 紅茶論争「正しい紅茶の淹れ方はあるのか?」
  • 食べ物とのマッチング
  • 様々な国の紅茶のある風景

食べ物とのマッチングでは、
食物を「油脂分を含まないもの」「バターを多く使うもの」「クリームを多く使うもの」など9種類に分け、
茶葉をダージリンからラプサンスーチョンまでの12種類に分け、
更にブラックティー・イングリッシュミルクティー・アイスティーの視点で相性を判断しています。

ハッキリと分類している印象ですが、ややこしすぎず分かりやすいと思いました。
フードペアリングの着眼点を知りたい!という方にも重宝される表だと思います。
今まで感覚のみで合わせてきたという方にも優しく理論を教えてくれるコーナーになりそうです♪

第三部 紅茶史

こちらでは、農作物・嗜好品として紅茶が辿ってきた歴史を振り返るという視点で話が進んでいきます。
見開き1ページでひとつのテーマを紹介するような形になっており、当時の絵や写真が添えられているので視覚的にも分かりやすいです。

このパートについては、絵や写真の効果が非常に大きいと感じるので文章での説明を割愛します。
退屈な歴史の授業という感じではなく、臨場感たっぷりで当時の様子を紹介してくれる雰囲気ですよ♪

第四部「磯淵流」紅茶の淹れ方

この部門では理論としての「おいしい紅茶の淹れ方」を説明しています。
視点は主に、こんな感じです。

  • 茶器
  • 茶葉
  • ジャンピングとは?
  • 各お茶の淹れ方(ブラックティー・ティーウィズミルク・チャイ・アイスティー・ティーバッグ(ポット)ティーバッグ(カップ))

この部門は実践しやすく作られているように感じました。
たとえば「やかんの中の水面がこんな風になったとき、ベストなタイミングです」と画像で示してくれます。
文章で「完全に沸騰させると酸素がなくなってしまうので~」という理屈はよく見かけると思いますが「それで?それってどうやったらわかるの?」というところまで踏み込んで教えてくれています♪
手順や分量などをきちんと説明してくれている点も、レシピ本のようで実用的だと思いました。

第五部 紅茶「ブレンドのすすめ」

ここはオリジナリティのある紅茶の話という雰囲気です。
そして、フレーバードティーについて説明するコーナーでもあります。

  • フレーバーティーのいろいろ(ラプサンスーチョン、アールグレイ)
  • 茶葉をブレンドする(茶葉同士のブレンド案をベース別に16種紹介)
  • 他の茶やスパイス&ハーブとブレンド
  • バリエーションティーのレシピ(フルーツやお酒との組み合わせも)

自分だけのオジリナルの味わいを作ろう!という視点と、気分に合わせて楽しもう!という視点があるように感じました。
たとえば「クリスマスにどんなお茶を飲もうかな?」「風邪気味なときにぴったりなお茶はないかな?」とページを捲ってレシピを探したり、アイデアをみつけることができます。

最初は、この部門だけ少し上級者向けかな?とも感じました。
しかし、このコーナーは「紅茶の教科書」の最後で、得た知識を実践して身につけ、最終的に自分らしさを出すことへ導いているのかな?という受け取り方ができそうです。
また、上級者になってから「あのレシピはどうだっけ…?」というときに後ろからすばやく捲って探せそうなのも良いですね♪

紅茶の教科書は初心者におすすめ?

私は、入門書の場合「誤解したまま読み進めてた!」っていう事態が一番恐ろしいような気がします。
趣味の世界では特に、勘違いに気づくのが数十年後…ってこともありえるからです…。

この本は図や写真が多く使われています。
その利点として、
「ティーストレーナー…って何?よくわからないけど、たぶんあれでしょ?まぁ、いいか」
などと、曖昧なままで話が進むことがありません。
画像の中のティーストレーナーを矢印で指し、その用途と主な形状や材質まで説明してくれます。

内容としても、初心者に必要な情報をベースにしつつ、好奇心を刺激される薀蓄が散りばめられています。
なので基本を知った後に「自分が特に興味を持った分野」について考え、掘り下げやすいと思います。
実際に製造工程を見たい!お茶と茶器と食べ物の組み合わせに凝ってみたい!オリジナルブレンドを作りたい!など、人によってもっと知りたいことって違いますよね♪
「これができたら次はこれ」と押し付けず、さまざまな方向に好奇心を刺激してくれているように感じました。

この本は紅茶の教科書という名前ですが、基本を教えつつ各方面への興味をくすぐるという意味でぴったりだと思います。
偏った知識だけを与えないという面でも、初心者さんにおすすめできる一冊です。

紅茶の教科書の感想まとめ

全体的に、明確にするべきことは明確にしつつ、読者の想像力や好奇心を潰さず…というバランスが保たれていると感じました。
そういった点は、著者の磯淵さんが午後の紅茶のアドバイザーや資格講座の主任教授をされている経験が活かされているのかな?と思いました。

また、この本は自分がステップアップしてからも別の視点で有意義に活用できると思います。
自分の記憶が曖昧なときに復習する用としてだけでなく
「初心者は何がわからなくて何を知りたいのか?」「自分が初心者のとき、紅茶のどこにワクワクしたんだっけ?」
ということを再認識できる一冊です。

紅茶の教科書に対して、自分の知識や技術など経験が増すごとに違う視点で楽しめそうな予感がしています。
これからもずっと手元に置いて、定期的に読み返していきます♪

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